認知症

認知症の治療で心がけていること

患者さまご本人の幸せを考えた治療

残念ながら、認知症を完全に治すお薬は現在の医療においては未だ開発されていません。そのため、ご本人にとって何が幸せで、何が取り除いた方がいい要因かということを大切にしています。
例えば認知症の中心症状としては短期記憶障害(少し前のことを全て忘れてしまう症状)が挙げられますが、ご本人にとってそれがとてもつらく悲しいことかというと必ずしもそうではありません。
もちろんご希望があればもの忘れがこれ以上ひどくならないようにという治療は行いますが、「何がなんでも元の状態に戻す」ということは不可能なので、「徘徊して家に帰ってこられなくなる」などの本人の危険を招く状態はできる限り回避するということと、ご自身で「こうなってしまったら嫌だな」と思うことがあればそれを取り除くことを念頭に置きながら、症状を緩和させることや進行を遅らせることを目指した適切な治療を行っています。

ご家族や介護をする方の負担を取り除くための治療

現代の日本では、「介護疲れで認知症の家族に手をかけてしまった」という悲しい事件が時々起こります。暴れてしまって抑えるのに非常に苦労されたり、知らない間に踏切に入ったり、大声を出すなどご近所に迷惑をかけたりと、介護をする方が日常で大きなストレスを感じて、これ以上はとても介護を続けられないと思い悩むような症状があれば、それを取り除くことを最優先に考えます。
認知症の症状にはさまざまなものがありますが、「ある程度は仕方ない」という症状と「介護する方のために抑え込まなければいけない」という症状を的確に見極めて、ご家族が介護を続けていける状態に病状を維持することを目指しています。

認知症の症状

もっとも典型的な症状としては「もの忘れ」が挙げられます。認知症の初期症状として「同じ言動をくり返す」「物の置いている場所を忘れる」などのもの忘れが出てくる方がほとんどで、それが進んでくるとさまざまな症状が出てきます。
「お金を盗まれた」などの妄想が現れたり、実際にはそこにないものが見える幻視や、実際にはない音や声が聞こえる幻聴を訴えたりといったことが代表的な症状で、いろいろな事柄の手順が混乱し、例えば洋服に袖を通してボタンをはめるというようなことができなくなる方もいらっしゃいます。さらに病気が進行すると家族の顔の区別がつかなくなり、箸やスプーンの使い方も忘れてしまいます。そのように多岐にわたる認知症の症状の中で、最初に出てくるのは多くの場合がもの忘れとなっています。

64歳以下で発症する若年性認知症

圧倒的に高齢者の方が多い認知症ですが、若年性の認知症の方も低い比率ながらいらっしゃいます。まだ現役世代として会社勤めをされている場合は、病気のために仕事に支障が出て、病状が進むと退職せざるを得なくなり経済的に困難な状況に陥ります。子どもが成人していない場合には親の病気が与える影響が大きく、教育、就職、結婚などの人生設計が変わることにも繋がります。次第に家族だけで介護を続けることが困難になってくると、施設に入所する選択をするケースが多くなります。
若年性認知症に気付くきっかけとなる症状としては、通常の認知症と同じく「もの忘れ」が最も多いとされています。認知症の症状を本人が自覚することは難しく、家族や周りの人の気づきで病気を発見することが多いのもこの病気の特徴です。

認知症を調べる方法

医師による認知症の診断には複数の方法が用いられますが、もっとも一般的なものはご本人にいろいろな質問をして、それに対してちゃんと答えられるかどうかを見るというテストです。
「長谷川式簡易知能評価スケール」が特に広く使用されており、「今日は何年何月何日ですか」「知っている野菜の名前を言ってください」などの決まった質問に答えていただき、その正解数をスコア化して認知症かどうかを判断します。
アルツハイマー型認知症はよく知られていますが、それ以外にも認知症にはさまざまなタイプがあり、CTによる検査なども同時に行って詳しく調べます。

認知症を発症する要因とは

認知症の原因には、病気やストレス、遺伝などさまざまな要素が考えられ、まだ明らかでない部分もありますが、糖尿病や高血圧などの生活習慣病がある人の方が認知症を発症する確率が高くなっています。
生活環境においては、やはり普段から手や頭を使っていた方がなりにくいと言われています。長年仕事人間に徹してきた男性が定年を迎えて生きがいを見失った途端に認知症のサインが現れたり、骨折などで入院して病室の天井を毎日眺め続けるような生活を送っている人が急に症状が進んでしまったりという話は多いものです。
外的な刺激が少なくなることも、認知症発症のきっかけの一つに数えられます。活動的な張りのある生活を送る、さまざまな趣味を楽しむ、社会的な関わりを充実させるなどのライフスタイルを送ることが、認知症の予防に役立つといえます。

認知症の治療法

当院では問診とさまざまな質問による検査、CTという流れで診察を行い、薬物療法による治療を進めています。現在日本国内では認知症の薬として4種類が認可されており、もの忘れなどの認知症の症状そのものの進行を食い止める薬を症状に合わせて処方しています。
その他に治療の一環として、妄想に取り憑かれたり、暴言や暴行が出たり、周りの人に抵抗したりするような周辺症状については、認知症そのものを治すのではなく周りに危害を加えることを防ぐために、必要最低限の措置として興奮を抑える薬を使うケースもあります。基本的には薬を服用して認知症の進行を遅らせたり改善したりする治療を進めていきます。

“治る認知症”と呼ばれる正常圧水頭症

正常圧水頭症とは、脳の中央にある脳室という空間で作られている脳脊髄液の流れが何らかの原因によって滞り、脳室に脳脊髄液が溜まりすぎた結果、周りの脳が圧迫されることでさまざまな症状が起こる病気です。
認知症の症状が出ても、過剰な脳脊髄液を外に逃がす「髄液シャント術」という手術を行うことで改善する場合もあるので、認知症の診察の際にはCTのチェックが必須となっています。
ただし普通の認知症と合併している方や、手術に適した時期を過ぎてしまって手術を行っても症状の改善があまり見られない方もいるので、「手術したら必ず治る」と言いきれないケースもあります。
認知症の検査では、正常圧水頭症による認知機能低下を見逃すことのないように細心の注意を払っています。

増え続ける認知症予備軍

近年非常に問題になっているのが「認知症予備軍」と呼ばれる状態です。健常者と認知症の人の中間段階にあるグレーゾーンにあたる方で、正常ではないけれど認知症でもない状態であり、数年後に認知症に移行する可能性が高くなっています。認知症予備軍の方の数は昔と比較して増加しており、高齢化が進むにつれてこの数は今後さらに増えていくことが予想されています。
日常の生活の中で趣味に打ち込んだり、積極的に手や頭を使ったりすることで病状が進みにくくなります。また、生活習慣病がある方は適切に血圧などのコントロールを行うと健康な状態を長く維持することに繋がります。

認知症の予防

現時点では認知症を完全に回避する方法はありませんが、適切な予防策によって認知症にかかりにくくすることは可能です。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病をお持ちの方については、まずはそのコントロールが大切になります。
また、一般的に脳にとって刺激の少ない生活を送ることは認知症が進行する原因になり得るので、手先を使うことや頭を使うことを積極的に行うのもおすすめです。手足を使わなければ筋肉が落ちるのと同じで、頭も使わなければ働きが落ちていきます。
「新聞や本を読む」「文章を書く」などの知的な行動を日常的に取り入れることが認知症の予防に効果的です。

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